通販サイトで数千円のLEDキットを見かける。歯科医院でも、施術中に青い光を当てている。セルフホワイトニングのサロンでも光を使うらしい——同じ「ホワイトニングライト」という言葉が並んでいると、同じものに見えてきます。
ところが、これらは組み合わせる相手がまったく違います。 そして前提として、光そのものが歯の色を変えているのではありません。
結論:光は薬剤の反応を後押しする役割
歯の色に働きかけるのは薬剤のほうです。光は、その反応を進みやすくするために使われます。
薬剤に加えられた触媒に、波長の短い青い光が当たると、薬剤の分解が進みやすくなります。 この仕組みの詳細はオフィスホワイトニングの薬剤は濃度だけで読めないで解説しました。
つまり、光は単独では役割を果たしません。 隣に何の薬剤があるかで、その光に意味があるかどうかが決まります。歯が白くなる仕組みそのものはホワイトニングの仕組みにまとめました。
「ホワイトニングライト」が指す3つのもの
同じ言葉で呼ばれていても、中身はこう分かれます。
| 使われる場所 | 組み合わせる薬剤 | 届く範囲 |
|---|---|---|
| 歯科医院 | 高濃度の過酸化水素(おおむね15〜35%) | 歯の内部の色 |
| セルフホワイトニングのサロン | 漂白成分を含まないものが中心 | 歯の表面の着色 |
| 市販の家庭用キット | 製品による | 製品の区分による |
歯科医院の照射器
光と薬剤がセットで設計されています。 高濃度の薬剤を短時間だけ作用させる前提で組まれており、照射は1回8〜15分程度を数回に分けて行うのが一般的です。
その合間に薬剤を塗り替えます。施術の流れと時間配分はオフィスホワイトニングとは?とオフィスホワイトニングの時間は3層で見るにまとめました。
セルフホワイトニングのサロンのLED
サロンで使われるものは、漂白成分を含まない薬剤と組み合わされることが中心です。歯科医師が診察したうえで扱う薬剤とは区分が違うためです。
この場合、光と薬剤が働きかけるのは歯の表面に付いた着色までになります。届く範囲の整理はセルフホワイトニングの効果はどこまで?をご覧ください。
市販の家庭用キット
通販などで手に入るものは、光の出力が抑えられており、波長も歯科で使うものと異なる製品が多いとされています。
そのため、キット単体で歯の内部の色を変えることは難しくなります。付属する薬剤の区分によって、できることの範囲が決まります。
3つを見分ける手がかり
案内を読んでいて、どれに当たるのか分からない場合があります。次の3点を見ると判別できます。
| 見るところ | 歯科医院 | サロン・市販 |
|---|---|---|
| 薬剤の成分 | 過酸化水素または過酸化尿素 | 漂白成分を含まないものが中心 |
| 施術する人 | 歯科医師・歯科衛生士 | 本人が自分で行う形が中心 |
| 歯ぐきの保護 | 施術前に行う | 行わない形が多い |
3つめが分かりやすい目印です。 歯ぐきを保護する工程があるということは、保護が必要な濃度の薬剤を使うという意味になります。逆に、保護せずに扱える薬剤であれば、届く範囲もその分だけ限られます。
自分の歯にどの手段が要るのかは、状態を見てもらえば判断できます。
家庭用の出力が抑えられている理由
「弱い」と聞くと欠陥のように感じますが、そういう話ではないのです。自分で使う前提の製品として設計されているためです。
歯科医院では、施術の前に歯ぐきを保護し、光の当たる範囲と時間を管理したうえで照射します。同じ強さの光を、管理する人がいない場所に置くという設計は成り立ちません。
家庭用の製品は、その条件のもとで成立する範囲に収めてあります。設計思想が違うので、「歯科用と同じ結果を求める」という比べ方そのものが合いません。
「ライトの性能」で選ぶことの落とし穴
製品を見比べるとき、光の色や照射時間、LEDの数といった数字に目が行きます。ただ、その手前に見るべきものがあります。
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| ① | 組み合わせる薬剤はどの区分か(歯の内部に働きかけるものか、表面までか) |
| ② | 光はその薬剤の設計に含まれているか |
| ③ | 使い方(時間・回数)はどう指定されているか |
①が決まれば、届く範囲はほぼ決まります。 光はそれを速めるかどうかの話です。
そもそも自分の歯の黄ばみがどこから来ているのかも、先に確かめておきたいところです。表面の着色であればクリーニングで済むこともあります。原因ごとの手段の違いは歯の黄ばみを取る方法は原因で決まるで整理しました。
費用の目安は、歯科医院で行う方法が1回15,000〜40,000円程度、自宅で行う方法が20,000〜40,000円程度です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
光を使わない方法もある
ここまで光の話をしてきましたが、光を前提にしない組み立て方もあります。
自宅で行う方法は、低い濃度の薬剤を長い時間かけて作用させる設計です。光の代わりに時間を使う、と言い換えてもいいでしょう。内容はホームホワイトニングとは?にまとめました。
光を使うかどうかは、優劣ではなく設計の違いです。 まとまった時間を確保できるか、毎日の時間を使えるか。生活の側から決めるほうが、結果として続きます。
両方を組み合わせる進め方もあります。歯科医院で受けて短期間で変化を出し、そのあと自宅で維持するという形です。この場合、光を使う工程は最初の数回だけになります。
いずれにしても、光の有無が結果の上限を決めるわけではないという点は共通しています。どこまで明るくなるかを決めているのは、歯の側の条件のほうです。
ホワイトニングライトに関するよくある質問
光を直接見ても大丈夫ですか?
歯科医院では、施術中に保護用のゴーグルなどを使うのが一般的です。まぶしさを感じる強さの光を扱うためです。家庭用の製品でも、説明書に光を直視しないよう記載があるものが多いので、指示に従ってください。
市販のライトと歯科医院のジェルを組み合わせられますか?
その組み合わせを前提にした設計にはなっていません。歯科医院で出される薬剤は、その医院の使い方に合わせて指示が付きます。自己流で別のライトを足した場合、想定どおりの結果になるとはかぎらないところです。
光を当てる時間を延ばせば白くなりますか?
濃度・時間・触媒はセットで組まれているため、光だけを延ばしても、比例して結果が増えるという関係とは違います。長く当てるほど刺激を感じやすくなる面もあります。
光を当てないタイプの施術もありますか?
あります。光を前提にせず、薬剤の濃度と時間で組み立てる方法です。どちらが優れているということではなく、設計の考え方が違います。
まとめ|見るのはライトではなく、隣にある薬剤
「ホワイトニングライト」という言葉は、歯科医院の照射器・サロンのLED・市販の家庭用キットという3つの別物を指しています。
共通しているのは、光そのものが歯の色を変えているわけではないという点です。光は薬剤の反応を後押しする役割で、隣に何の薬剤があるかで届く範囲が決まります。
家庭用の出力が抑えられているのは、自分で使う前提の製品として設計されているためです。欠陥ではなく、そもそも別の条件で作られています。
製品を見比べるときは、光の性能より先に、組み合わせる薬剤がどの区分かを確かめてください。そこが決まれば、届く範囲もおおよそ決まります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

