前歯の差し歯だけ、周りと色が合わなくなってきた。ホワイトニングを調べてみたら、差し歯は白くならないと書かれている。作り替えるという話も出てくるが、費用と回数を思うと踏み切れない——そこで見つかるのが「歯のマニキュア」という言葉です。
マニキュアは、歯を白くする処置とは別ものです。表面を覆うためのものです。 だからこそ、薬剤では変えられないものにも使えます。ただし持続時間が3段階に分かれるので、そこを知ってから選んでください。
結論:マニキュアは「白くする」のではなく「覆う」
| ホワイトニング | 歯のマニキュア | |
|---|---|---|
| 何をするか | 歯の内部の着色分子に働きかける | 表面に塗って色を覆う |
| 対象 | 天然の歯 | 天然の歯・差し歯・銀歯なども |
| 元に戻せるか | 時間とともに戻る | 外せば元の状態に戻る |
| 持続 | 6ヶ月〜1年程度 | 数時間〜2ヶ月程度 |
差し歯や被せ物の色が薬剤で変わらない理由はインプラントがあってもホワイトニングはできる?に、薬剤の作用が届く範囲はホワイトニングの仕組みにまとめました。
歯のマニキュアとは何をするものか
歯の表面に専用の材料を塗り、色を上から覆う方法です。歯を削らないため、周りの歯に手を加えずに1本だけ色を変えられます。
覆うだけなので、薬剤で色が変わらないものにも使えます。
- 差し歯・被せ物・銀歯
- 神経を取った歯(内部の変色はウォーキングブリーチの値段で解説しました)
- 薬剤による変色(テトラサイクリン歯にホワイトニングは効く?)
「元に戻せる」ことの意味
ここがマニキュアの一番の特徴です。削る処置と違い、外せば元の状態に戻ります。
被せ物の作り替えやラミネートベニアは、一度進めると引き返せません。それに対してマニキュアは、試してみて合わなければやめられます。「この明るさで違和感がないか」を確かめる手段として使えるという側面もあります。
持続時間で3段階に分かれる
ここを押さえておかないと、期待と実際がずれます。
| 種類 | 持続の目安 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 市販品 | 数時間〜半日程度 | その日だけ |
| 歯科医院で行う一般的なもの | 数日〜1週間程度 | 行事に合わせる |
| 長持ちするタイプ | 1〜2ヶ月程度 | 作り替えまでのつなぎ |
「一度塗れば済む」ものとは違います。 市販品は特に、食事や飲み物で剥がれやすいという性質を持ちます。
長持ちするタイプであっても、上限は1〜2ヶ月程度です。続けるなら、そのつど塗り直す前提で考えてください。
期間の見通しが立てば、どの手段を選ぶかも決まります。
どういう場面で使うのが向いているか
持続時間の性質から、向いている場面はおおよそ決まります。
| 場面 | 向いている種類 |
|---|---|
| 撮影や式など、日が決まっている | 数日〜1週間持つもの |
| 作り替えを決めたが、まだ先になる | 1〜2ヶ月持つもの |
| 天然歯を明るくしたあと、差し歯との差が出た期間 | 1〜2ヶ月持つもの |
3つめは見落とされやすいところです。ホワイトニングで周りの歯を明るくすると、差し歯だけが取り残されます。 作り替えるまでのあいだ、その差を埋める用途で使えます。
逆に、「これで長く済ませたい」という目的とは相性がよくありません。塗り直しの手間と費用が積み上がるためです。
繰り返すときに知っておくこと
一時的な手段である以上、繰り返すことになります。そのときの注意点です。
剥がれ方にはムラが出ます。 部分的に残った状態になると、その段差に汚れが付きやすくなります。剥がれてきたら、放っておかずに整えてもらいましょう。
繰り返すと表面の状態が変わる場合もあります。 塗る・落とすを重ねると、歯の表面がわずかに荒れることがあるためです。荒れた表面には色素が留まりやすくなるため、着色の面では逆に働きます。
除去のしかたによっては、エナメル質に影響しうるとされています。自分で無理に削り取ろうとせず、歯科医院で外してもらうのが確実です。
自分で塗るとムラや不自然な光沢が出やすいという点もあります。前歯は正面から見える場所なので、仕上がりの差がそのまま印象に出ます。
根本的に揃えるなら作り替え
長い目で見て色を揃えるなら、差し歯そのものを作り替えることになります。ただし順番があります。
- 先に天然の歯を目標の明るさまで持っていく
- 色が落ち着くのを待つ(最後の施術から数日〜2週間ほど)
- 落ち着いた色に合わせて作り替える
この順番を踏んで初めて、色を合わせる基準が定まります。詰め物の場合の同じ考え方はホワイトニングと詰め物の問題は2つあるにまとめました。
なお、天然の歯には明るさの上限があります。それより白い領域は人工物で作る色です。差し歯の色をどこに置くかは、その上限を確かめてから決めることになります。段階の数え方はホワイトニングの「レベル」は何を数えている?で整理しました。
作り替えは削る処置を伴うため、元に戻せない選択になります。急いで決めず、マニキュアで一度その明るさを試してみるという進め方もあります。 「受けられるけれど、それだけでは解決しない」ケースの整理はホワイトニングができない人は4つに分かれるに、期待と結果が食い違う構図はホワイトニングの後悔は始める前に決まるにまとめています。
費用については、マニキュアは種類と本数で、作り替えは材料と本数で変わります。ホワイトニング自体は自宅で行う方法で20,000〜40,000円程度が目安です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
差し歯とマニキュアに関するよくある質問
市販のマニキュアを差し歯に使えますか?
塗ること自体はできます。ただし持続は数時間から半日程度で、食事や飲み物で剥がれます。前歯に塗る場合、ムラや光沢の不自然さが目立ちやすい点も踏まえてください。
マニキュアを塗ったまま歯磨きできますか?
強くこすると剥がれます。塗った当日は力を入れずに磨き、研磨する力の強い歯磨剤は避けるのが一般的な案内です。剥がれてきたら塗り直すか、いったん外してもらいましょう。
差し歯だけ作り替えると浮きませんか?
作り替えの時点で周りの歯の色に合わせるため、その時点では揃います。ただし天然の歯はその後も変化するので、時間がたつとまた差が出てきます。先に天然歯を明るくしてから作り替えるという順番が効くのは、このためです。
差し歯が変色したのはなぜですか?
差し歯の材料によって、表面に着色が付く場合と、材料そのものが変わる場合があります。表面の着色であれば、歯科医院で落とせることもあります。まず状態を見てもらいましょう。
まとめ|覆う手段と、揃える手段を分けて考える
差し歯の色は、ホワイトニングの薬剤では変わりません。歯のマニキュアは白くするのではなく、表面を覆う手段です。だから薬剤で変えられないものにも使えます。
押さえておきたいのは持続時間です。市販品は数時間〜半日、歯科医院で行う一般的なもので数日〜1週間、長持ちするタイプで1〜2ヶ月程度。 塗り直す前提の手段だと考えてください。
向いているのは、日が決まっている場面と、作り替えまでのつなぎです。長く済ませたいという目的とは相性がよくありません。
そして根本的に揃えるなら作り替えになりますが、先に天然の歯を明るくして、色が落ち着いてから合わせるという順番を守ってください。削る処置は元に戻せないので、急いで決める必要はありません。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



