「ホワイトニングができない人」の一覧を見ると、項目がずらりと並んでいます。ところが眺めていても、自分がどこに当たるのか、当たったらどうすればいいのかは出てきません。
理由ははっきりしています。「できない」という言葉に、意味の違う4つの状態が混ざっているためです。 体質の問題、時期の問題、方法の問題、変色の由来の問題。それぞれ行き先が違います。
結論:「できない」は4つの意味に分かれる
| 層 | どういう問題か | 次の行き先 |
|---|---|---|
| ① | 薬剤そのものが使えない | ホワイトニング以外の手段を考える |
| ② | 今は受けられない | 待つ、あるいは先に整えれば受けられる |
| ③ | その方法が使えない | 別の方法なら成立しうる |
| ④ | 受けられるが、それでは解決しない | 別の処置が要る |
「できない」の大半は②と③、つまり時期か方法の問題です。 完全に道が閉じるのは①だけで、④は「できない」ではなく「行き先が違う」という話になります。
なお、「歯がもろくなる」「戻るからやめたほうがいい」といった言われ方の仕分けはホワイトニングはしない方がいい?で扱いました。本記事は状態から見た判定の話です。
層①:薬剤そのものが使えない
ここに該当するのはごく限られます。
無カタラーゼ症。 過酸化水素を分解する「カタラーゼ」という酵素を体内に持たない体質です。ホワイトニングの薬剤は過酸化水素を主成分とするため、分解されずに残ると口の中の組織を傷めるおそれがあります。この体質の方は受けられません。
妊娠中・授乳中。 安全性が確立されているとは言えないため、この期間は見送るという案内が一般的です。ただしこれは①というより、期間が過ぎれば受けられるという意味では②に近い性質を持ちます。
いずれも自己申告と診察で確認します。持病や服薬がある場合は、その内容を伝えたうえで判断してもらってください。
無カタラーゼ症は、自覚がないまま過ごしている方もいます。ただし過酸化水素は消毒薬として広く使われてきた成分でもあり、傷口の消毒で泡が立たなかった経験があるといった手がかりから見つかることがあります。心当たりがあれば、その旨を伝えておくと確認が早くなります。
層②:今は受けられない(待つ・整える)
もっとも該当者が多いのがここです。そして、ほとんどが順番の問題です。
| 状態 | どうすれば受けられるか | 目安 |
|---|---|---|
| 未治療の虫歯がある | 先に治療する | 治療の内容による |
| 歯ぐきに炎症がある | 先に歯周病の治療を行う | 状態による |
| 口内炎がある | 治まってから | 数日〜1週間程度 |
| 抜歯した直後 | 傷が落ち着いてから | 状態による |
| 授乳中 | 授乳を終えてから | — |
| 年齢が若い | 歯の成長段階を見て | 個人差あり |
虫歯があるときの順番は虫歯があってもホワイトニングできる?に、年齢で線が引かれる理由は高校生はホワイトニングできる?にまとめました。
この層に当てはまった場合、断られたのではなく「順番が先にある」だけです。 治療を終えたあとに改めて相談すれば、通常どおり進められます。
むしろ、先に口の中を整えておくほうが結果は安定します。表面の着色を落としてから薬剤を使うほうが届き方が均一になりますし、治療の途中で中断する心配もなくなるためです。
自分がどの層に当たるかは、状態を診てもらえば分かります。
層③:その方法が使えない(別の方法なら成立しうる)
見落とされやすい層です。「ホワイトニングができない」のではなく、「その方法が合わない」だけという場合があります。
光に反応しやすい体質がある場合。 歯科医院で行う施術では光を照射することがあり、光線過敏症の方は避けることになります。ただし、光を使わずに薬剤と時間で組み立てる方法であれば、成立する余地があります。 自宅で行う方法の内容はホームホワイトニングとは?、歯科医院で行う方法はオフィスホワイトニングとは?をご覧ください。
しみやすさが強い場合。 濃度・時間・間隔を調整することで進められる場合があります。仕組みと対処の方向はホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?にまとめました。
矯正装置を付けている場合。 装置の種類によって可否が分かれます。詳しくは矯正中にホワイトニングはできる?で解説しています。
歯並びに重なりがある場合。 薬剤の届き方にムラが出ることがあります。ただし、これも受けられないという意味ではなく、仕上がりの見え方を先に理解しておく話です。歯並びが悪いとホワイトニングはどうなる?で整理しました。
層④:受けられるが、それでは解決しない
最後の層は、施術そのものは受けられるものの、求めている結果には届かないというものです。
| 状態 | なぜ解決しないか | 詳しくは |
|---|---|---|
| 前歯に詰め物・被せ物がある | 人工物の色は薬剤で変わらない | インプラントがあってもホワイトニングはできる? |
| 神経を取った歯が変色している | 内側からの変色には外から届かない | ウォーキングブリーチの値段 |
| 薬剤による変色がある | 象牙質に取り込まれた色 | テトラサイクリン歯にホワイトニングは効く? |
| エナメル質が十分に作られていない | 効果が得られにくく、強い痛みが出ることがある | — |
この層は「できない」ではなく「別の手段が要る」と読むべきところです。 変色の由来ごとに手段が変わる整理は歯の黄ばみを取る方法は原因で決まるにまとめました。
ただし、覆う処置や作り替えは歯を削ることになり、元に戻せません。まず薬剤でどこまで届くかを確かめてから判断するという順番を守ってください。費用の目安は、自宅で行う方法で20,000〜40,000円程度です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
自分で判断できるのはどこまでか
4つの層のうち、自分で見当をつけられる範囲は限られます。
自分で分かること
- 妊娠中・授乳中かどうか
- 口内炎や抜歯直後かどうか
- 矯正装置を付けているかどうか
- 前歯に治療を受けた記憶があるかどうか
診察で分かること
- 未治療の虫歯や歯ぐきの状態
- 前歯の人工物の有無と範囲
- 変色の由来
- エナメル質の状態
予約の前に伝えておくと早いのは、持病・服薬・妊娠や授乳の状況・過去の治療歴です。 これだけ揃っていれば、当日の相談で判定まで進めます。
ホワイトニングができない人に関するよくある質問
持病があるのですが受けられますか?
病名と服薬の内容によって判断が変わります。自己判断で諦めず、相談の場で伝えてください。薬剤を使う方法が難しくても、クリーニングで着色を落とすという道が残っている場合があります。
授乳中ですが、いつから受けられますか?
授乳を終えてからという案内が一般的です。時期が来たら改めて相談してください。その間は着色を増やさない習慣を続けておくと、始めたときの出発点が変わります。
断られたら、それで終わりですか?
多くの場合は層②か層③、つまり時期か方法の問題です。何が理由で見送りになったのかを確認してください。理由が分かれば、待てばいいのか、方法を変えればいいのかが決まります。
相談だけでも行っていいですか?
問題ありません。むしろ、自分がどの層に当たるかを確かめるための相談として使うほうが効率的です。当てはまらないと分かれば、そのまま進められます。
まとめ|「できない」の中身が分かれば、行き先も決まる
ホワイトニングができない人は、4つの層に分かれます。
① 薬剤そのものが使えない。 無カタラーゼ症など、体質による限られたケースです。
② 今は受けられない。 未治療の虫歯、歯ぐきの炎症、口内炎、抜歯直後、授乳中、年齢。これは順番の問題で、整えれば受けられます。
③ その方法が使えない。 光を使う施術が難しい、しみやすい、矯正装置が付いている。別の方法や調整で成立しうる範囲です。
④ 受けられるが解決しない。 人工物、失活歯、薬剤による変色、エナメル質の状態。ここは「別の手段が要る」と読み替えます。
一覧を眺めて不安になるより、自分がどの層かを確かめるほうが早道です。②と③であれば、道は閉じていません。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

