「1回で◯段階明るくなる」という表現を見かけて、数字で判断しようと考える。これは自然な受け止め方です。ただ、その数字は思っているほど単純ではありません。
「レベル」はシェードガイドという色見本の段階を指しますが、読み方に3つのずれがあります。 並び順のずれ、差分と到達点のずれ、測る条件のずれ。この3つを押さえると、同じ数字が急に読めるようになります。
結論:レベルはシェードガイドの段階。ただし読み方に3つのずれがある
シェードガイドは、歯の色を判定するための色見本です。もっとも広く使われているものはA・B・C・Dの4つの群に分かれ、全部で16段階あります。
| ずれ | 内容 |
|---|---|
| ① 並び順 | 群は色相で分かれており、明るさの順に並んでいるわけではない |
| ② 差分と到達点 | 「◯段階」は差分。スタート地点が違えば行き先も違う |
| ③ 測る条件 | いつ・どんな光の下で見たかで数字が動く |
順に見ていきます。
ずれ①:並び順は「A1の次がA2」ではない
4つの群は、それぞれ色の傾向で分かれています。
| 群 | 色の傾向 |
|---|---|
| A | 赤褐色系 |
| B | 赤黄色系 |
| C | 灰色系 |
| D | 赤灰色系 |
群のなかでは、数字が大きくなるほど色が濃くなります。A1よりA2、A2よりA3のほうが濃い、という並びです。
ところが実際の判定では、この16本を明るさの順に並べ替えて使います。 色相の異なる歯を同じものさしに乗せるためです。
そのため、「2段階明るくなった」というときの2段階は、群をまたいでいることがあります。 AからB、BからDへ動く場合もある。「A3からA1まで2段階」という単純な計算にはなりません。
ずれ②:「◯段階」は差分であって到達点ではない
ここが一番の落とし穴です。「2段階」は移動した幅を指しているだけで、どこに行き着くかは元の位置で決まります。
| スタート地点 | 2段階上がった場合 |
|---|---|
| 濃いほうから始まる場合 | まだ平均のあたり |
| 平均あたりから始まる場合 | 明るい側に入る |
| もともと明るい場合 | 上限に近づく |
日本人の歯の色はA3〜A3.5程度が平均とされています。やや黄みがかった色です。ここから2段階動くのと、もっと濃いところから2段階動くのとでは、鏡に映る印象がまるで違います。
そして、天然の歯で到達しうる範囲には上限が置かれています。A1/B1あたりが目安とされ、それより白い領域は歯そのものの色ではありません。どこまで届くかが歯の側の条件で決まる理由はホワイトニングの仕組みで解説しました。
上限の先は人工物の領域
シェードガイドには、天然歯の範囲より明るい側を示す記号もあります。ただしそこは、被せ物やラミネートベニアといった人工物で作る色の領域です。薬剤で到達する範囲とは別のものだと考えてください。
自分の歯が今どのあたりにあるかは、診てもらえば分かります。
ずれ③:いつ・どこで測ったかで数字は動く
3つめは測定の条件です。同じ歯でも、状況が変われば別の段階に見えます。
施術直後は乾燥で明るく見える
施術中は口を開けた状態が続くため、歯の表面が乾きます。乾いた歯は水分を含んだ歯より明るく見えます。 この状態で判定すると、実際より上の段階が出ます。
数日かけて水分が戻り、落ち着いた色がその回の結果です。比べる対象は施術直後ではなく、施術前の記録のほうになります。
照明と背景で見え方が変わる
歯科医院のライトの下と、自宅の洗面所と、屋外では、同じ歯が違って見えます。着ている服の色や口紅の色も判定に影響します。
さらに、歯並びによっても見え方が変わります。重なりやねじれがあると影ができ、その部分だけ暗く見えるためです。詳しくは歯並びが悪いとホワイトニングはどうなる?にまとめました。
自分で判定するのが難しい理由
色を見分けるとき、人の目は周囲との対比に強く影響されます。歯だけを単独で見ることができないため、隣の歯・歯ぐき・唇の色に引きずられます。
自分の歯を毎日見ている人ほど、変化に気づきにくくなるという事情もあります。少しずつ動く色は、記憶との比較では捉えられません。
数字を「使える形」で持つには
3つのずれを踏まえると、数字の持ち方が決まります。
施術前に、同じ条件で記録しておく。 同じ照明、同じ時間帯、同じ背景。この3つを揃えた記録が1つあるだけで、あとから比べられます。
到達点ではなく「どこからどこへ」で持つ。 「A1を目指す」ではなく「今どこにいて、そこから何段階を目標にするか」。これなら達成したかどうかを自分で判定できます。
上限を先に知っておく。 天然歯の範囲を超える白さを期待していると、届いていても物足りなく感じます。この食い違いが後悔につながる構図はホワイトニングの後悔は始める前に決まるにまとめました。
なお、費用は方法により15,000〜100,000円程度と幅が出ます。どの方法を選ぶかを決める手順はホワイトニングの選び方で解説しました。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
思ったほど上がらないときに見るところ
段階が動かないと感じたら、確かめる順番はこうなります。
そもそも原因が着色だった場合。 表面に付いた色素は、薬剤で分解する対象ではありません。クリーニングで落ちる種類の汚れです。原因ごとの手段の違いは歯の黄ばみを取る方法は原因で決まるで整理しました。
自宅で行う方法なら、運用の側。 装着時間、ジェルの量、続けた期間。ここを確認してから歯の側を疑うという順番になります。ホームホワイトニングで白くならない?にチェックリストをまとめました。
部分的に色が揃わない場合。 ムラや白い斑点が出ているケースは、段階の問題とは別の扱いになります。ホワイトニングの「失敗」は3つに分かれるで3分類しています。
ホワイトニングのレベルに関するよくある質問
自分のレベルは自宅で測れますか?
正確な判定は難しいところです。周囲の色や照明に引きずられるためです。おおまかな把握であれば、自然光の入る場所で、同じ時間帯に、同じ背景で写真を残しておくとよいでしょう。
何段階上がれば見た目に分かりますか?
段階の幅は一定ではなく、明るい側ほど1段階あたりの差が細かくなります。そのため「何段階なら分かる」と数字で言い切ることは難しいところです。他人が気づくかどうかより、施術前の記録と並べて自分で確かめるほうが確実です。
上限まで行ったらそれ以上は白くできませんか?
薬剤で明るくする範囲としては、そこが上限になります。それより白い色にするには、歯を削って人工物をかぶせる処置が必要です。削る処置は元に戻せないため、まず薬剤でどこまで届くかを確かめてから判断してください。
左右で段階が違うことはありますか?
あります。過去に治療を受けた歯、神経を取った歯、噛み合わせの都合でエナメル質がすり減っている歯などは、周囲と色が揃わないことがあります。そういう歯が混ざっている場合、全体を1つの段階でまとめて表すのは難しくなります。
まとめ|数字は「どこまで」ではなく「どこからどこへ」で持つ
ホワイトニングの「レベル」はシェードガイドの段階を指します。もっとも広く使われるものは4つの群・16段階で、判定は明るさの順に並べ替えて行います。
そのうえで、「◯段階明るくなる」という数字には3つのずれがあります。群をまたぐことがある並び順、スタート地点で行き先が変わる差分、乾燥や照明で動く測定条件。この3つです。
数字を使えるようにするには、施術前に同じ条件の記録を1つ残し、「どこからどこへ」という形で目標を持つこと。そして天然歯の上限を先に知っておくこと。この2つで、期待と結果の食い違いはかなり減らせます。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

