歯科医院でマウスピースと薬剤を受け取り、いざ自宅で始めてみると、細かいところがあいまいなまま進んでいることに気づきます。ジェルはどのくらい入れるのか。つけたまま寝てしまった日は大丈夫だったのか。マウスピースはお湯で洗っていいのか。
手順そのものは難しくありません。ただ、各ステップに理由があるため、そこを外すと結果に差が出ます。ジェルの量は1歯につき米粒1つ程度で、増やしても白くなる速度は変わりません。ここでは7つのステップを理由とセットで整理し、つまずきやすい点とその後の対処までまとめます。
始める前に確認しておくこと
前提として、ここで扱うのは歯科医院で作ったマウスピースと、処方された薬剤を使う場合の手順です。市販のキットや、他人のマウスピースを流用する使い方は想定していません。
そして最も大切な点として、装着時間と使用回数は製品ごとに異なります。 一般的には1日1〜2時間ですが、処方時に受けた指示が常に優先されます。この記事の数値は、指示を思い出すための目安として使ってください。
変化を感じ始めるまでの目安は、毎日続けた場合でおよそ2週間です。仕組みや期間の全体像はホームホワイトニングとは?で解説しています。
ホームホワイトニングのやり方7ステップ
- 歯みがきをする — 表面にプラークや着色が残っていると、薬剤が歯に届きにくくなります。時間をかけて磨く必要はありませんが、この工程は飛ばさないほうが結果につながります
- 口の中の水気を軽く切る — 水分が多いと薬剤が薄まります。うがいのあと、軽く水気を切ってから次に進みます
- ジェルをマウスピースに入れる — 1歯につき米粒1つ程度が目安です。トレーの歯が入る部分に、1粒ずつ置いていくイメージで入れます
- マウスピースを装着する — ゆっくり押し当てて装着します。強く咬むとマウスピースが傷んだり、ジェルが片寄ったりします。はみ出したジェルは、ティッシュで拭き取ります
- 指示された時間だけ装着する — 1日1〜2時間が一般的です。長くつければ早く進むというものではないため、指示された範囲を守ります
- 外して口をゆすぎ、歯を磨く — 残った薬剤を落とします。ゆすいでから、優しく磨きます
- マウスピースを水で洗い、乾かして保管する — 熱湯は変形の原因になるため使いません。 水またはぬるま湯で、内面を流水下で歯ブラシなどを使って優しく洗います。よく乾かしてから専用ケースに入れ、直射日光や高温を避けて保管します
ジェルの量を増やしても結果は変わらない
やり方でいちばん迷うのがジェルの量です。多く入れたほうが早く進みそうに思えますが、実際にはそうなりません。
理由は単純で、マウスピースからはみ出した分は歯に触れないからです。薬剤が作用するのは、歯の表面に接している部分だけ。それ以上入れても、作用する面積は増えません。
一方で、はみ出したジェルは歯ぐきに触れます。これが刺激や、歯ぐきの一時的な白濁を招くことがあります。さらに、処方される薬剤の量は決まっているため、1回あたりの使用量が多いと単に早くなくなり、目標に届く前に足りなくなります。
濃度と時間はセットで設計されています。低い濃度の薬剤を、決められた時間だけ作用させる。この設計に沿うほうが、量を増やすよりも結果につながります。
つまずきやすい点と、そのあとどうするか
すでに何日か続けている方は、次の表で自分のやり方を確認してみてください。当てはまるものがあっても、気づいた時点で直せば問題ありません。
| つまずき | 起きること | どうするか |
|---|---|---|
| ジェルを入れすぎる | 歯ぐきへの刺激や一時的な白濁。薬剤が早くなくなる | 次回から米粒1つ程度に戻す |
| 歯みがきをせずに装着する | 表面の汚れに阻まれ、薬剤が届きにくくなる | 使用前の歯みがきを習慣にする |
| 熱湯でマウスピースを洗う | 変形し、薬剤が均一に行き渡らなくなる | 浮きや当たりを感じる場合は歯科医院に相談する |
| 装着したまま寝てしまう | 指示より長く作用し、しみる症状が出ることがある | 処方時の指示を確認する。症状があれば相談する |
| 装着できない日がある | 進みが遅くなる。それまでの積み上げが戻るわけではない | 期間が延びる前提で続ける |
| 使用直後に色の濃いものを口にする | 着色を受けやすい状態のため、色が戻りやすい | 直後はしばらく控える |
つけたまま寝てしまった場合について補足すると、就寝時の装用を前提に設計された製品もあるため、それ自体が常に問題というわけではありません。判断の基準は処方時の指示で、しみる症状が出ていなければ過度に心配せず、翌日から指示どおりに戻せば大丈夫です。
また、最後の2つは続けるうえで気持ちが折れやすいところです。1日空いたからやり直し、ということはありません。積み上げた分はそのまま残り、目標に届くまでの日数が延びるだけです。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
手順を正しても変化がないとき
手順を見直して2〜3週間続けても手応えがない場合、原因が手順の外にあることがあります。
ひとつは、黄ばみの原因が表面の着色だったというケースです。この場合はクリーニングのほうが向いており、薬剤を長く使っても状況は変わりません。
もうひとつは、前歯に詰め物や被せ物があるケースです。人工物の色は薬剤では変わらないため、天然の歯だけが明るくなり、差が目立つことがあります。
そして、もともとの歯の性質上、到達しそうな範囲が想定と違っていたという可能性も考えられます。どこまで明るくなるかは、エナメル質の厚みや象牙質の色で決まるためです。
いずれの場合も、量や時間を自己判断で増やしても届く範囲は変わりません。 刺激が強く出るだけになりかねないため、原因を確かめるほうが結果的に近道です。歯科医院で何が分かるかは歯医者のホワイトニングで解説しています。
ホームホワイトニングのやり方に関するよくある質問
ジェルが余る・足りない場合はどうすればいいですか?
1回あたりの量が指示とずれている可能性があります。余っている場合は入れる量が少なめ、足りない場合は多めになっていることが多いため、米粒1つを目安に見直してみてください。目標に届く前に足りなくなった場合は、追加で処方を受けられることが一般的です。
マウスピースが浮く、当たって痛いのですが
作製時の適合か、使用中の変形が考えられます。浮いた状態では薬剤が均一に届かず、当たる部分は傷の原因にもなります。使用を中断して、歯科医院に相談してください。
使用後すぐに歯を磨いても大丈夫ですか?
まず口をゆすいで薬剤を落としてから、優しく磨きます。使用直後の歯は表面が敏感になっていることがあるため、強くこすらないほうが無難です。
朝と夜、どちらに使うのがいいですか?
指示された時間を確保しやすいタイミングで問題ありません。ひとつ目安を挙げるなら、装着後に色の濃い飲食物を口にしにくい時間帯のほうが、色が戻りにくくなります。夜に使う場合は、そのあとの飲食を控えやすいという利点があります。
まとめ|量ではなく、時間と手順の理由を守る
ホームホワイトニングのやり方は、歯みがき、水気を切る、ジェルを入れる、装着、時間を守る、外して磨く、水で洗って保管する、の7ステップです。ジェルは1歯につき米粒1つ程度で、増やしても作用する面積は変わりません。
各ステップには理由があります。使用前の歯みがきは薬剤を届かせるため、水洗いはマウスピースを変形させないため。理由が分かれば、どこを丁寧にやるべきかも判断できます。
そして、手順を正しても変化が出ないときは、原因が手順の外にある可能性があります。量や時間を増やす前に、原因を確かめるところから始めてみてください。
東京池袋矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

