歯が動く仕組みを解説

「矯正ってどうやって歯を動かしているの?」

「歯が動く仕組みってどうなっているの?」

歯科矯正を検討するなかで、このような疑問を思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

あごの骨に埋まっている硬い歯が、移動していくのは不思議ですよね。

そこで、本記事では歯が動く仕組みについてわかりやすく解説します。

目次

歯が動く仕組みとは

矯正で歯が動く仕組みは、歯と骨の間にある「歯根膜」が関係しています。

厚さは約0.2mmで、歯根膜は歯を支える役割を担います。

<歯根膜の役割>
・硬い食べ物を噛んだ力が直接骨に届かないようクッションのような役割をもつ
・噛んだときの「硬い、柔らかい、サクッ」などの食感を脳に伝える

歯根膜には約0.2mmの厚さを維持しようとするはたらきがあり、歯科矯正ではこの特性を利用して歯を動かしていきます。

ステップ1:歯根膜に矯正力が伝わる

ワイヤー矯正やマウスピース矯正で、歯を動かしたい方向に矯正力をかけると、まずは歯根膜にその力が伝わります。

その結果、歯根膜の片側は引っ張られて伸び、反対側は縮みます。

ステップ2:骨を溶かす細胞と骨を作る細胞ができる

縮んだ側の歯根膜は一定の厚みを保つため、歯槽骨(歯の土台となる骨)を溶かして距離を取ろうと破骨細胞を活発にさせます(骨吸収)。

一方、引っ張られて伸びている側の歯根膜は、新しい骨を作って元の厚さに戻ろうとします(骨形成)。

ステップ3:繰り返す

矯正力をかけ続けることで歯根膜は骨吸収と骨形成を繰り返し、歯は動かしたい目的の場所まで移動していきます。

矯正力を強くかけすぎてしまうと歯や周りの組織に負担かけてしまうため、歯を1ヶ月で動かせるのは0.3mm〜0.5mm程度とされています。

歯科矯正が長期間にわたるのは、歯槽骨の骨吸収と骨形成の速度に合わせて安全に歯を動かしているからです。

矯正装置ごとの歯が動く仕組みとは

歯科矯正には、ワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。

歯が動く仕組みは同じですが、矯正力のかけ方に違いがあります。

<ワイヤー矯正の場合>

  1. ワイヤー矯正はアーチ状のワイヤーを使用し、歯の凸凹に合わせてブラケットに通します。
  2. 凸凹状態になったワイヤーが元のアーチ状に戻ろうとする力を利用して歯を動かします。
  3. 歯科医師はワイヤーの太さを変えたり曲げたりしながら、歯の動きを調整します。

<マウスピース矯正の場合>

  • マウスピース矯正は、マウスピースと歯列のズレを利用しています。
  • 目標とする歯並びの形に向かって、少しずつ形の異なるマウスピースを使用して歯を動かします。

歯科矯正で用いる主な歯の動き

歯科矯正では、矯正力をさまざまな方向からかけることで正しい位置に歯を移動させます。

複数の動きを組み合わせることもあり、スムーズに歯を動かすためには歯科医師の技術が重要になります。

  • 水平移動(歯体移動):歯を水平に移動させる
    (例) 抜歯したスペースへ歯を寄せる
  • 傾斜移動:歯の根の先端付近を支点に回転する動き
    (例) 倒れている歯を起こす
  • 回転:歯の向きを揃える動き
    (例) 歯のねじれを改善して噛み合わせを整える
  • 圧下:歯ぐき側へ押し込むような動き
    (例) 高さのある歯を歯ぐきのなかへ押し込む
  • 挺出:圧下とは反対に歯を引き出す動き
    (例) 八重歯を引き出す

歯を早く動かす仕組み

歯科矯正は、基本的に歯に負担をかけないよう弱い力でゆっくり動かすのが理想です。

しかし、「少しでも早く終わらせたい」「早く動かす方法はないの?」と思う方もいるでしょう。

追加費用が必要になることが多いですが、「スピード矯正」と呼ばれる3つの方法を紹介します。

コルチコトミー歯槽骨の表面をあえて傷つけ、骨の回復力と矯正力をあわせて骨と一体に歯を動かす方法。
骨代謝により骨自体も強くなるため、後戻りがしにくい効果もある。
インプラント矯正ミニインプラントやアンカースクリューと呼ばれる歯科矯正用の小さなネジをあごの骨に埋め込み、それを固定元に歯を動かす方法。
動かしたい歯にのみ矯正力をかけられるので、効率よく歯が動く。
光加速装置マウスピース型の装置で1日に10分程度口にくわえる。
歯周組織に近赤外線を照射して骨代謝を促す仕組み。
矯正治療の痛みを和らげる効果もある。

歯が早く動く人の特徴とは?

歯が早く動くのは以下のような人です。

<歯が早く動く人の特徴>

  • 代謝がよい人
  • 歯や骨の状態がよい人
  • 舌や口周りの悪癖がない人
  • 歯科医師の指示を守れる人

代謝のよい子どもや、大人でも年齢が若いほど歯が動きやすい傾向にあります。

また、「歯が小さい」「歯周病がある」など歯や骨に問題がある方や、舌遊びや歯ぎしりなどの悪癖がある人は、うまく矯正力がかからないためより時間がかかってしまいます。

「マウスピース矯正の装着時間を守る」「矯正中の定期検診を必ず受ける」など歯科医師の指示を守ることも大切です。

まとめ

「歯根膜が一定の厚みを維持するために、歯槽骨の吸収と再生を繰り返す」これが歯科矯正で歯が動く仕組みです。

骨代謝が活発な人ほど動きやすく、骨代謝を活発にする方法を利用すれば早く動かすことも可能です。

なお、マウスピース矯正「Oh my teeth」を導入している当院では、事前シミュレーションでおおよその矯正期間を調べられます。

どのくらいの期間で歯並びを治せるのか知りたい方は、ぜひ無料診断をご利用ください。

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