痛みが出ると、まず「これは異常なのか」を知りたくなります。続けていいのか、いったん止めるべきか、医院に連絡するほどなのか。判断の材料がないまま、次の来院日まで待つことになりがちです。
判断を早める手がかりは、どこが痛いかにあります。歯なのか歯ぐきなのか、歯だとしても全体なのか1本だけなのか。場所が違えば原因が違い、原因が違えば対処も変わります。まず場所別の一覧から見ていきます。
痛む場所で原因が分かる
自分の症状に近いものを探してみましょう。
| 痛む場所 | 考えられる原因 | まずできること |
|---|---|---|
| 歯の全体がツーンとしみる | 薬剤の作用で刺激が伝わりやすくなっている | 1回の時間を短くする、間隔を空ける |
| 特定の1本だけ強く痛む | 虫歯、歯のヒビ、過去の治療歴など | 自己判断せず歯科医院で確認する |
| 歯ぐきがヒリヒリする・白くなる | 薬剤が歯ぐきに付着した | 拭き取る、うがいをする、量を見直す |
| 唇・口角が荒れる、痛い | 施術中の乾燥、器具の接触 | 保湿する |
| 顎が疲れる・痛い | 長時間口を開けたことによる負担 | 休憩を挟む、施術を分割する |
下の3つは歯科医院での施術で起きやすいもので、自宅で進める方法ではあまり起きません。逆に上の2つは、どちらの方法でも起こりえます。
歯が痛む場合
全体がツーンとしみる
最も多いのがこのパターンです。薬剤が歯の内部へ浸透する過程で、外からの刺激が神経に伝わりやすい状態になっています。冷たい飲み物や、息を吸い込んだときにツーンとくるのが特徴です。
仕組みと予防についてはホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?で詳しく解説していますが、対処の方向としては次のとおりです。1回の作用時間を短くする、使用の間隔を空ける、薬剤の濃度を下げる、知覚過敏を抑える薬剤を併用する。
ここで大切なのは、自己判断で調整しないことです。どの手を打つかは症状の程度によって変わります。伝えたうえで進め方を変えるほうが、結果的に早く目標へ届きます。
特定の1本だけ強く痛む
全体ではなく、1本だけが明らかに強い。この場合は薬剤とは別の原因が隠れている可能性があります。
- 虫歯がある。薬剤が象牙質や神経に直接届いています
- 歯にヒビが入っている。刺激が内部へ入り込む経路になります
- 過去に神経の治療をした歯。周囲の状態によって反応が異なることがあります
- 歯ぐきが下がって根元が出ている。その部分はエナメル質に覆われていません
いずれも、時間の経過で解決するものではありません。このパターンは様子を見ずに歯科医院で確認しましょう。 虫歯との関係は虫歯があってもホワイトニングできる?で整理しています。
歯ぐきが痛む場合
歯ぐきの一部がヒリヒリする、その部分が白っぽくなっている。これは薬剤が歯ぐきに触れたことによる刺激です。
白く変化するのは一時的なもので、多くは数時間から1日程度で落ち着きます。歯ぐきが溶けているわけでも、傷が残るわけでもありません。
起きやすいのは、次のような場合です。
- ジェルを入れすぎている
- はみ出した薬剤を拭き取っていない
- 歯周病で歯ぐきに炎症がある
その場でできる対処は3つです。
- マウスピースを外し、うがいをする。まず薬剤を口の中から除きます
- はみ出した薬剤をティッシュなどで拭き取る。歯ぐきに残ったままにしない
- 次回から量を見直す。目安は1歯につき米粒1つ程度です
量と入れ方はホームホワイトニングのやり方で解説しています。なお、もともと歯ぐきに炎症がある場合は症状が出やすくなるため、歯周病の治療を先に済ませておくほうが快適に進められます。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
症状の原因は、口の中を診てもらえばその場で切り分けられます。
唇・口角・顎が痛む場合
これらは歯科医院での施術に特有のもので、薬剤とは別の経路で起きます。
唇や口角は、施術中に口を開けた状態が続くことで乾燥します。器具が触れる位置によっては、切れて痛むこともあります。施術前に保湿剤で保護しておくことで軽減できるため、乾燥しやすい自覚があれば伝えておくとよいでしょう。
顎は、長時間口を開けたままでいることによる負担です。もともと顎に不安がある場合は、途中で休憩を挟む、1回の施術を短く分割するといった対応が取れます。
いずれも施術が終われば落ち着くことがほとんどです。ただし、顎の痛みが続く場合や、口が開けにくい状態が残る場合は相談してください。
受診すべき痛みの見分け方
様子を見てよい症状と、そうでない症状があります。次のいずれかに当てはまる場合は、次の来院を待たずに連絡します。
- 数日たっても引かない
- ズキズキと拍動するような痛み
- 腫れをともなう
- 特定の1本だけが強く痛む
- 痛みで眠れない、食事ができない
これらは、薬剤による一時的な反応とは別の原因が考えられます。とくに拍動するような痛みや腫れは、歯の内部や歯ぐきで別のことが起きているサインになりえます。
一方、装着後にしばらくしみる、歯ぐきが少しヒリつくといった症状は、様子を見てよい範囲に入ることが多いものです。対処をしたうえで、翌日に落ち着いていくかを確認します。
判断に迷った場合は、連絡してかまいません。「このくらいで連絡していいのか」と考えて我慢するより、確認したほうが早く解決します。
ホワイトニングの痛みに関するよくある質問
痛いけれど、続けても大丈夫ですか?
場所と程度によります。歯ぐきの軽い刺激であれば、量を見直したうえで続けられることが多いものです。一方、特定の1本だけが強く痛む場合は、いったん中断して原因を確認してください。
歯ぐきが白くなりましたが、元に戻りますか?
多くは数時間から1日程度で落ち着きます。薬剤が触れたことによる一時的な変化のためです。翌日になっても改善しない場合や、範囲が広がる場合は連絡しましょう。
痛み止めを飲んでもいいですか?
市販の鎮痛薬で一時的に抑えることはできますが、原因が解決するわけではありません。自己判断で対処し続けるより、症状を伝えて進め方を変えるほうが確実です。服用の可否は歯科医院に確認してください。
次からしみないようにできますか?
濃度・時間・間隔の調整に加えて、事前に知覚過敏を抑える成分を取り入れておくことで程度は変わります。準備の仕方はホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?で解説しています。
まとめ|まず「どこが」を特定する
ホワイトニングの痛みは、場所によって原因も対処も変わります。歯の全体がしみるのは薬剤の作用によるもので、時間や間隔の調整で和らげられます。歯ぐきのヒリつきと白い変化は薬剤の付着によるもので、量を守り拭き取ることで防げます。唇や顎の痛みは施術中の姿勢や乾燥によるもので、事前に伝えれば配慮してもらえます。
一方で、特定の1本だけが強く痛む場合は別です。 虫歯やヒビなど、薬剤以外の原因が隠れていることがあります。
数日引かない、拍動する、腫れがある、1本だけ強い。このいずれかがあれば、次の来院を待たずに連絡してください。それ以外の症状は、対処しながら翌日の変化を見るところから始められます。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

